HSKレベル別解説

HSK

HSKは‘汉语水平考试’の略で、中国語運用能力を証明する中国政府公認の試験です。レベルは1級から6級までの6段階に分かれており中国語検定とは逆で最上級が6級です。

実践的な運用能力を測る世界共通の試験で、中国留学を考える際にはこの試験の成績証明が必須(一般的に5級以上)です。

内容については公式ホームページでご確認ください☟

HSK 日本で一番受けられている中国語検定 (hskj.jp)

今回はこの試験の活用法および級別の対策、おすすめテキストについて解説していきます。

HSK1級・2級・3級

必要語彙の目安は1級150語、2級300語、3級600語で、合格基準は6割の得点です。

私は最初の参考書として‘中国語が面白いほど身につく本’を使用しましたが、この教材でも500語くらいの常用単語は習得できますので、試験用の対策本などは必要ないと思います。

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正直この級を取得するメリットは乏しく、本気で学ぶのであれば4級以上からスタートすべきでしょう。

HSK4級

必要語彙の目安は1,200語で6割以上の得点が基準です。私は「中国語を学習した」と人前でアピールできるには1,000以上の語彙力が必要だと考えますので、この級の合格や中国語検定では3級合格が目安だと思います。

この級からは‘合格奪取HSKトレーニングブック’という非常に有効な参考書がありますので読解・作文編とリスニング編の2冊だけで必要な語彙力は完全に身につくはずです。余裕があれば過去問を1冊仕上げれば完璧でしょう。

まとめの中でも説明しますが、HSKは日本人にとって感覚的に解ける傾向にあり中国語検定と比べて合格点を取ること自体は難しくありません。しかし真剣に中国語の向上を目指すなら得点テクニックを覚えるのではなく、あくまで語彙力の向上を意識しましょう。

HSK5級

必要語彙力で2,500語、得点6割が合格基準です。

実は私はこの級から受験しました。もともと中国語検定を活用していたのですが、中国語検定の場合3級(必要語彙1,000~2,000語)と2級(必要語彙約5,000語)との差が大きく、この間の短期目標として最適だったからです。中国語検定用の教材を使用していたので試験対策としては過去問集を1冊買っただけなのですが、この試験を目標に絞るならやはり‘合格奪取シリーズ’が最強です。過去問集はHSKの教科書調ではない実践的な対話が新鮮で、また簡潔かつ効果的な表現も多く感動したのを覚えています。自分でもリスニング問題を読み上げたりノートに書き写したりして良い語彙力の向上につながりました。

私は中国語検定3級合格から約1年後に受験しましたが300点中236点でした。中国語検定2級に合格したのはさらに1年後ですので、一概に比較はできませんが合格だけを考えた場合の個人的な難易度は中国語検定2級=HSK6級くらいだと思います。

HSK6級

必要語彙力5,000語で、合格基準は6割得点です。

語彙数だけでいえば中国語検定2級と同じレベルですが、リスニング問題はHSKのほうが高度で質が高く「聞く」能力は相当に鍛える必要があります。また全体の問題数が多く時間配分が大事なほか、筆記の最後に作文による文章の要約が課されますので、試験向けの対策が必要でしょう。

私は中国語検定2級合格直後に腕試しのつもりで過去問集だけ目を通し8割の得点を目指しましたが、結果は218点でした。択一形式は偶然正答する問題もありますので完全にわかった問題だけを自分で集計してみると188点とギリギリの結果でしたのでやはり中国語検定2級と同レベルではないでしょうか。

参考書は全レベル通して‘合格奪取シリーズ’に勝るものはないと思います。あとは過去問で実践慣れしておきましょう。

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もともと通訳案内士一次試験の免除条件として中国語検定1級の取得がありましたが、私がHSK6級を取得した翌年に同資格も免除条件に加わり、通訳案内士の受験では大きなメリットとなりました。

中国語検定1級や通訳案内士の一次試験の難易度ははっきり言ってHSK6級の比ではありません。通訳案内士を目指すならぜひともHSK6級で180点以上得点しておきましょう。

まとめ

真剣に独学で高いレベルでの中国語習得を目指すなら、定期的に試験は受けるべきです。私の場合周りに中国語学習者がおらず自分の達成度を測ることが難しかったため、中国語検定を利用して短期目標を積み重ねることで順序良く学習できました。また試験会場で同じ受験者を見るだけで励みにもなりモチベーション維持にも大いに役立ちます。

HSKの場合細かい文法や用法の理解というよりは、実践的な話題を通しての内容理解ができているかを試す問題が中心です。厳選された‘生きた’フレーズは自分の引き出しを作るのに最高の教材ですが、択一形式ではおおまかに内容がわかれば正答できるという盲点もあります。

ネットでは半年~1年でHSK6級を取得する方法なども紹介されており、1人の中国語学習者としてとても残念に感じます。テクニックに走って何の楽しみがあるのかわかりませんが、語学を志す最終目標は高度なレベルでネイティブと会話することだと思いますので試験はそのためのツールに過ぎません。

そういう意味で私は中国語検定のほうが客観的な実力が測れると思います。私たちも目的と手段を混同せず誠実に語学力を磨いていきましょう!

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