新しい語学を始めると、最初は40~50語程度の単語がすぐ身に付き、発音はきれいでないにせよ初歩的なあいさつは短い時間でできるようになります。
中国語でえば、「我是日本人」「我是大学生」「请多关照」などです。
けれども学習が進むにつれ覚えたつもりの会話がなかなか口に出なくなってくることがありませんか?
今回は私の経験からこの理由をご説明いたします。
私も中国語を始めて約1年半が過ぎたころに覚えたつもりの単語やフレーズがなかなか出てこなくなる時期がありました。初歩的な会話を覚えたての頃のほうが話せていたんじゃないかな!?と思ったくらいです。
勉強するにつれてなんか話せなくなった気がするなぁ
そのときは、文法を理解しながら「読む」「書く」を学習することが「話す」に悪影響を与えているのかと、学習に迷いが生じるかもしれません。
次のことをしっかりと覚えておいてください。
語学の習得とは「読む」「書く」「聞く」「話す」という4つの能力で語彙力を向上させる必要があります。
この4つの能力向上はそれぞれ学習方法が異なります。
「読む」「書く」・・・・インプットする(引き出しを作る)
「聞く」・・・・耳を慣らす
「話す」・・・・アウトプットする(作った引き出しを引き出す)
学習を始めて間もないころは、基本会話集などでこの4つのの能力を同時に向上させる(耳を慣らしながら引き出しを作りそれを引き出す)ことは難しくなく、40~50くらいの表現はすぐに使えるようになるでしょう。
しかし100、200、300とインプット語彙が増えていくにつれアウトプット作業は難しくなります。
洋服タンスの引き出しを想像してみてください。引き出しが4つなら、上から下着、シャツ、パンツ、小物、という感じで覚え、必要な時に迷いなく引き出せますよね。しかし仮に引き出しが200あったらどうですか?何がどこにあったのか覚えきれず、必要な時に引き出すのに時間もかかりますよね。最初にしまったはずの下着、シャツでさえ探すのに苦労するかもしれません。
そんなときどういう工夫をしますか?
例えば、一番右側を頭のてっぺんにつけるもので一番左が足先につけるもの、というように身に着ける箇所によって列を分類したり、色や形状で段を分けておけば必要な時にだいたいの場所はわかりますよね。さらにタグをつけておけば探し当てるのに時間もかかりません。
インプットした語彙をちゃんと分類しておくことが大事なんだ!
このインプットする語彙を分類しタグをつける役割を果たすのが文法なのです。
全般的な文法を理解することで、インプットできる語彙を何倍にも増やし、必要な時に引き出しやすいよう効率よく収納することができます。
語彙の引き出しが増えて、引き出しにくくなるのは当たり前のことです。この時期は必ず通過する初級者から中級への正当なステップですので、むしろ頑張っている証拠です。多くの人がこの時期に限界を感じ、外国語の学習を放棄するのはとてももったいないことだと思います。
要領よく仕分けし、引き出す訓練をすれば誰でも話せるようになりますので迷いなく学習を進めていきましょう!
コメント